加須市の有形文化財現在文化庁が全国巡回中
「十六間筋兜」など凱旋公開展示へ
加須市は騎西城跡等から出土した市指定の有形文化財「十六間筋兜」が文化庁から高く評価され、現在同庁主催の「発掘された日本列島2023」イベントに選定され、全国巡回展示中だが、この出土品が3月に市に戻ってくる時期を「凱旋」と捉えて、加須市民の日の3月23日を皮切りに6日間、パストラルかぞなどで特別展を開催することを決めた。
騎西城は戦国時代から江戸時代初期まで180年間以上続いた平城。文化庁が高く評価した遺跡「騎西城跡・騎西城武家屋敷跡」は今の騎西歴史文化センター周辺にあった。前田辰男・生涯学習部生涯学習課長、坂本征男・同文化担当主幹の話を総合すると、発掘調査は1980(昭和55)年から13年間にわたって80回以上も実施された。
その発掘調査結果でとくに注目されるのは遺構では敵の侵入を防ぐために堀底に障子の桟のような障害を設けた「障子濠」の発掘といえる。障子濠は騎西城五ノ丸南で確認され、最大幅48mと全国最大級のものだ。遺物で最大の注目物は錏(しころ)、吹き返しがほぼ完全な形で残る「十六間筋兜」だ。騎西城は上杉謙信の2度に渡る攻撃で落城したが、この十六間筋兜は上杉謙信方の武将が付けていたものとみられている。このほか純度90%の金貨「蛭藻金」や「馬鎧」、「陶器類」など53点の出土品が発掘された。
3月23日はパストラルかぞ24~29日はキャッスルきさい
市が計画する特別展はパストラルかぞ(3月23日)、キャッスルきさい(3月24日、26日、27日、28日、29日)を予定している。
記事:農事新聞 2024年2月10日号
写真提供:農事新聞
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