名人･小田切頼人さんに聞く 作るなら”寒”この時季に
唱歌・早春賦の一節に「春は名のみ風の寒さよ」（作詞・吉丸一昌、作曲・中田章）があるが、本格的な春を迎える前の1月の「寒」の時季は昔から雑菌が少ないことから「酒」や「味噌」づくりに最適と言われている。そこで今号では埼玉県内で有数の手作り味噌づくりの名人と言われる小田切頼人さん（鴻巣市在住）に家庭でもできる味噌づくりのコツを伝授していただいた。
「用意するもの」
5リットルの樽と1.5㎏の重し
「材料」
麹１㎏
大豆800ｇ360
塩360ｇ
味噌づくりの手順は別表の通り。
味噌づくりの手順
- 前日に大豆を洗って水に浸す
- 翌日大豆を煮る
- 麹と塩をボールに入れ、まんべんなく混ぜる
- 大豆が煮立ったら火を止めて冷ます
- ボールの上にザルを置き、煮えた大豆を鍋からザルへ移す
- 冷ましが50度程度になったら大豆を潰す
- 潰した大豆に麹と塩を入れてまぶして団子状態する
- 用意した樽の中にビニール袋を入れ、そこに団子状の大豆を何回も入れていく
- 表面に振り塩をして袋を輪ゴムで止める
- 最後に袋の上に重石を乗せ、蓋をする
注意ポイント･コツ
- 大豆は耳たぶの柔らかさまで煮るのがコツ
- 煮えた大豆はザルに一旦移す。その時ボールの上にザルを置き、煮汁は捨てない
- 40分～50分潰すこと
- 取り置きしておいた煮汁を使って団子状態にする
- 空気が入らないよう隙間を埋めながら入れるのが大事
- 蓋はガムテープで止め密封する。樽は直射日光の当たらないところに1年間置くこと
「寒」の時季が一番と言われる由縁
ところで味噌を作るには「寒」の時季が一番と言われる由縁は何かを小田切さんに伺ってみた。
第一には「冬場は雑菌が少ないこと」第二は「気温が低いので味噌がゆっくり発酵すること」第三に「材料となる米や大豆が穫りたてで新鮮なこと」なるほど、理にかなっていると納得した。
名人・小田切さんによると、「味噌が一番うまくなるのは2年目。味の深みとまろやかさが違います。作ったら我慢して2年目に楽しんでください」と言っていた。
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