校歌に郷土の誇り・文化が詰まっている「かぞ小・中・高校歌展」

校歌には郷土の誇り・文化が詰まっている 3月5日~24日「キャッスルきさい」で

誰もがその歌の全部あるいは一部を確実に口ずさめるのが「校歌」。
その校歌にスポットを当て、加須市内34に及ぶ全ての公立、私立の校歌誕生の背景、秘話などを盛り込んだ「かぞ小・中・高校歌展」が3月5日~24日まで市内騎西文化学習センターで開催されることになった。同センターと郷土史発掘市民団体・幸さき魂たま文化協会が連携して共催する。そこで同展示会の中心メンバー奥澤市孝・幸魂文化協会会長と柿沼峡一・事務局長に校歌展開催に踏み切る思いなどを伺った。

聞き手・ジャーナリスト長谷田一平

校歌展開催のきっかけは昨年7月幸魂文化協会の会議である会員が発した一言だった。

校歌展開催のきっかけは昨年7月幸魂文化協会の会議である会員が発した一言だった。
「僕が卒業した昭和中学校では慶応義塾の校歌を作った信時潔氏がせっかく昭和中学校の校歌を作曲したのにも係わらず、僕が在学中は作曲者の名前は伏せられていた。」この報告に同協会会員一同「何だ、それは…」と驚愕。これが契機となり、この際、市内の校歌誕生のいきさつなどを調べようとなった。ユニークな調査だけに「これが加須市の歴史的、文化的価値に繫がる」と皆さん意気軒昂だ。
手初めに昨年9月から市内の公立、私立の小・中・高校34校の校歌の制定日、作詞者、作曲者、それと各校ごとのエピソード収集に入った。その中でこの過程で面白い事実などが数多発見できたと奥澤会長と柿沼事務局長は小躍りする。

たとえば騎西中学校の校歌は確か3番まであったとの伝説が古老間で言われていた。今回の調査で伝説は正しく3番までの歌詞が見つかった。
加須西中学校の前身、不動岡中学校の校歌は94歳の女性の証言で幻の校歌が蘇った。冒頭で紹介した信時潔氏だが戦前戦争賛美とも言われた「海ゆかば」を作曲したことからか、戦後関係者間で忖度が働き、作曲者不肖の状態が相当期間続いていたことが判明。奥澤会長と柿沼事務局長は「我々の調査の成果を見てほしい。まだ未完成の部分がたくさんあるので皆さんの知っている歴史的事実をぜひ教えてほしい」と語る。

加須市内34校の校歌制定日と作詞者・作曲者一覧

学校名作詞者作曲者校歌制定日
不動岡高等学校河野 省三楠美恩三郎大正4年
騎西小学校小島 政吉成澤 潤蔵大正5年8月11日
加須小学校千家 尊福田村 虎蔵大正6年6月23日
水深小学校(不明)(不明)大正10年
大越小学校野中 新平下總 皖一昭和4年
大利根東小学校館野 善寿下總 皖一昭和4年12月16日
原道小学校風巻影次郎下總 皖一昭和13年12月
北川辺西小学校河野 省三下總 皖一昭和15年12月28日
礼羽小学校若林  巖若林 巖昭和24年2月
昭和中学校土岐 善麿信時 潔昭和27年2月22日
騎西中学校河野 省三河野 道雄昭和28年
加須西中学校岡安 明寿若林  巖昭和33年1月1日
加須東中学校大木  実中田 喜直昭和35年3月
北川辺中学校大貫 和夫中田 喜直昭和37年3月
田ヶ谷小学校河野 省三河野 道雄昭和37年11月
三俣小学校岡戸 英雄鈴木 方也昭和39年10月
種足小学校宮澤 章二大場 善一昭和39年11月
鴻茎小学校宮澤 章二中田一次昭和40年1月
北川辺東小学校神保光太郎佐々木すぐる昭和40年2月18日
高柳小学校宮澤 章二大仲 恩昭和40年3月
大利根中学校栗原 浩栗原 泰昭和41年11月1日
大桑小学校川島 正義野出 久男昭和43年1月
加須北中学校影山 一熊田 勝子昭和44年
不動岡小学校岡安 明寿福田 準一昭和48年11月
樋遣川小学校若林 巖若林 巖昭和49年3月
元和小学校栗原 浩栗原 泰昭和51年2月13日
豊野小学校遠藤 恭子町田 隆一昭和51年
志多見小学校新井 正夫松本 重信昭和55年10月
花咲徳栄高校佐藤 照子金田あきお昭和58年11月7日
騎西特別支援学校高等部生徒合作高橋 雅也(不明)
花崎北小学校宮澤 章二小山 章三平成4年2月24日
平成中学校宮澤 章二岩河 三郎平成9年2月21日
加須南小学校谷川俊太郎鈴木 邦彦平成11年2月11日
開智未来中・高関根  均星野 博夢令和2年
(資料提供:奥澤市孝会長)

記事:農事新聞 2024年2月10日号
写真提供:農事新聞

農時新聞とは

topic_nouji20190505.png
農事新聞見本

農時新聞は、農業生産法人 誠農社が発行する フリーペーパーです。
地域の振興と活性化を目的に、毎号、久喜・加須を中心に地域の話題が掲載されています。
3面には”寄せ書きトークルーム”といった投稿コーナーなど、地元に密着した地域の情報が揃います。
4面には読者投稿の和歌コーナーやプレゼントも充実。
久喜・加須市民だけでなく、都心から郊外に移転を考えている方にとっても良い情報源です。
最新号およびバックナンバーは、発行元:誠農社のサイトでご覧いただけます。