江戸時代の名工「蘭陵王山車」保管場所

赤坂日枝神社への里帰り支持8割
本町町内会アンケートで判明

加須市本町町内会が所有管理する江戸安政年間(160年前)建造「蘭陵王山車」の保管方法を巡って役員
間での意見対立が続く中、役員有志らで作った「蘭陵王山車を愛する会」が本町町内会全世帯を対象に実施したアンケート調査で8割の世帯が「蘭陵王山車」は生誕地江戸の日枝神社に委譲すべきと判断していることが分かった。役員対立の争点は一方は山車の年間維持費に100万円もかかり、しかもこれまで修繕に1200万円も要してきたことを挙げ、もはや町内会で維持管理することは限界として山車を日本三大祭・山王祭を主宰する日枝神社に里帰り委譲すべきと強調。他方は明治期に加須に山車が嫁入りした以上、加須で人生を添い遂げさせるべきと主張している。こういった役員間の膠着状態の打破と今後の山車管理の方向性を探ろうと役員の内田圭一氏と142年前の明治16年(1883)に江戸日本橋町内から山車を買い取った本町の商人・清水善兵衛氏から数えて清水家6代目当主・伊藤千佳子さんが共同代表となり、「蘭陵王山車を愛する会」を結成。本町町内会全239世帯に意見を聞いたもの。


アンケートは6月20日から開始。内容は3択。①加須に保存し続けるべきである②他町内会と連携して維持すべきである③赤坂・日枝神社へ委譲すべきである。7月30日現在106世帯が回答。①は4、②は4、③は91、④わからないは7だった。

選択肢回答
加須に保存し続けるべき4
他町内会と連携して維持すべき4
赤坂・日枝神社へ委譲すべき91
わからない7
7月30日時点 106世帯回答

この結果に日枝神社への委譲を強く訴える内田圭一氏は「本町町内の民意は出た。この意思が実現するよう動きたい」と話す。本紙では山車放出に慎重姿勢を見せている役員に電話取材を何度か試みたが残念ながら不通で回答が得られなかった。

蘭陵王山車とは

安政年間( 1854 ~1860)、江戸日本橋の通油町・田所町・新大坂町の3町合同で建造。高さ6m、幅3m、奥行4m。(写真内田圭一氏提供)昭和47年(1972)6月、加須市は指定有形民俗文化財に指定。文久2年(1862)、江戸期最後の天下祭・日枝神社「山王祭」に参加。祭礼スタイルが明治になり「山車」から「神輿」に変化したこともあり日本橋3町が譲渡を表明。加須本町の商人・清水善兵衛が明治16年(1883)、町の発展のシンボルになればと金500円(現在価格1000万円)で購入。それ以降、山車は本町町内会が所有し維持管理している。

修理費3,600万円のうち1,200万円町内会負担

もう町内で持ち続けることは財政的にも限界

市は放出容認か財政支援か焦点

この問題は6月市議会でも議題となった。この中で角田守良・加須市長は山車を「市の宝」「相談があれば文化財としてのあり方を一緒に検討したい」としつつも、町内会の意見が収斂していないとして対応方針の提示は避けた。今後「市の宝放出容認」「市が財政措置を講じて宝放出阻止」どちらに舵を切るか、市の対応が注目される。

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