冷凍「餃子・牛丼」に人気集中 送料不足で予算1億余を追加

加須市の「ふるさと納税」の寄付件数と寄付額が今年に入って驚異的な伸びを見せている。原因の一つは新たに返礼登録商品とした冠生園の「冷凍餃子」(昨年11月登録)と吉野家の「冷凍牛丼」(今年4月登録)への注文が集中していることだ。市では返礼品郵送経費として今年度予算として計上した7477万円では間に合わないと判断し9月議会に不足分1億2682万円を補正予算として計上、議会から承認を得た。(関連記事2面)

冷凍餃子と冷凍牛丼への寄付件数等は凄いの一言。

冷凍餃子と冷凍牛丼への寄付件数等は凄いの一言。市が集計した8月末現在の数値によると、両品目だけで昨年度同市へのふるさと納税寄付総件数1万2800余の半分近くの5771件に達する勢いだ。石井幸子・総合政策部長の説明によると、8月末現在、冷凍餃子への寄付件数は4654件、寄付額は2792万4000円で、年度末には2万1845件、1億2692万3000円を見込んでいる。また冷凍牛丼は8月末現在で寄付件数は1117件、寄付額は1276万円で、年度末の最終見込みとして5243件、5799万8000円としている。

市内豊野台に工場があるアイワイフーズの冷凍餃子は寄付額1万円で108個入ったパックが届く。人気の秘密は「餃子1個が大きく、皮がもちもち感たっぷり、中身ジューシー」―これに尽きるようで「1回食べたらやめられなくなった」との声が多い。一方冷凍牛丼だが、これは例の吉野家の牛丼工場が市内新利根にある強みで返礼品登録商品になった。あの吉野家の牛丼が家庭で食べられる―これが人気に火をつけたようで、寄付金額1万3000円で吉野家牛丼の具10食セットが届く。加須市が返礼品付ふるさと納税をスタートさせたのは8年前の2015(平成27)年度から。現在利用できるポータルサイトは「ふるさと納税」「ふるなび」「さとふる」。この8年間の寄付件数と寄付額の推移を見ると、2年前の2021(令和3)年度までは返礼登録商品数は100件以下。寄付件数は多くても2000件台、寄付額も800万円前後から2000万円台。最大でも4000万円程度だった。それが昨年度劇的に変化した。石井幸子・総合政策部長によると「職員が市内事業者を回って勧誘、開拓した成果」と語る。その結果、返礼登録品目が初めて100の大台を突破し136品目となり、寄付件数も「万」の大台を超し1万2824件、寄付額も「億」を超え1億1461万2430円となった。

寄付額は今年度3億円超見込む

なお、同市では寄付件数と寄付額をさらに伸ばそうと、今年度、返礼登録商品数を昨年度の136から9月末現在354品目に拡大した。これに伴い、寄付総額を昨年度の1億から3倍強の3億円と見込んでいる。

記事:農事新聞 2023年11月14日号

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