日本国内だけでなく世界中を旅する薬草研究家で〝ハーブ王子〟とも言われている人気の山下智道さん（35）がこのほど加須市にやってきて「野草がハーブやスパイスに変わるとき」と題する講演会を行った。
主催したのは油井ケ島地区で漢方を駆使しながら農薬や化学肥料を一切使わずに高級米やイチジクを栽培している加須市の農家「誠農社」。
会場となった同社コミュニティルームには山下さんから身近な薬草の活用方法を聞こうと野菜作りを楽しむ市民など40人以上が参加し満員盛況の勉強会となった。
山下さんは福岡県北九州市の出身。登山家の父親の影響で幼い頃から自然に親しんできた関係で「３歳頃から植物に興味を持った」と回想。「小学校時代は植物図鑑ばかり読んでいた」お陰で、５年前テレビ東京の番組｢野草・山菜王選手権｣で見事優勝し、〝植物王テレビチャンピオン〟になったことを講演会の冒頭さりげなく自己紹介していた。講演会ではまずハーブとスパイスの違いの説明から入った。両者は料理での香りづけの利用では共通しているが、その部位について「ハーブは花、葉、茎の部分｣、「スパイスは根、種子｣と教示した。日本国内だけでなく世界中を旅する薬草研究家で〝ハーブ王子〟とも言われている人気の山下智道さん（35）がこのほど加須市にやってきて「野草がハーブやスパイスに変わるとき」と題する講演会を行った。
主催したのは油井ケ島地区で漢方を駆使しながら農薬や化学肥料を一切使わずに高級米やイチジクを栽培している加須市の農家「誠農社」。会場となった同社コミュニティルームには山下さんから身近な薬草の活用方法を聞こうと野菜作りを楽しむ市民など40人以上が参加し満員盛況の勉強会となった。
山下さんは福岡県北九州市の出身。登山家の父親の影響で幼い頃から自然に親しんできた関係で「３歳頃から植物に興味を持った」と回想。「小学校時代は植物図鑑ばかり読んでいた」お陰で、５年前テレビ東京の番組｢野草・山菜王選手権｣で見事優勝し、〝植物王テレビチャンピオン〟になったことを講演会の冒頭さりげなく自己紹介していた。講演会ではまずハーブとスパイスの違いの説明から入った。両者は料理での香りづけの利用では共通しているが、その部位について「ハーブは花、葉、茎の部分｣、「スパイスは根、種子｣と教示した。
山下さんが挙げた身近な野草25種
「クロマツ」 「クワ」 「ナツメ」 「エビズル」 「オキナワニッケイ」 「ネムノキ」 「ハマナス」 「ハスカップ」 「マタタビ」 「ミズメ」 「ヤマコウバシ」 「アメリカタカサブロウ」 「アマドコロ」 「ウシハコベ」 「オオバコ」 「ゲッカビジン」 「タンポポ」 「ツユクサ」 「オガルカヤ」 「オニタビラコ」 「カラムシ」 「クズ」 「ドクダミ」 「ノビル」 「ヨモギ」。
三つ葉の種で薬膳カラーが
山下さんは「植物で一番成分が凝縮しているのは遺伝子を残す種子です。たとえば皆さん、三つ葉なら葉っぱだけ食べると思うが、種を利用してみてください。三つ葉の種を取ってサラダ油とともに炒めてください。立派な薬膳カレーが出来上がります」と新たな活用方法を伝授、会場から感嘆の声が出ていた。また生薬と漢方薬の違いも説明した。簡単に言えば「動物性と鉱物性が含まれると生薬」「植物性だけがスパイス」「漢方薬はそれらを全て配合すること」と述べ、「皆さんよく知っている葛根湯は１種類でできているわけではない」と話した。そのうえで漢方には「副作用の少ない上薬」「風邪などの慢性疾患時に使う中薬」「毒草なので普段使ってはいけないが急性疾患時に使う下薬」の３種類があることを説明した。
野草の保存法
野草の保存方法にも触れた。ヨモギやミントなど香りのいい植物は「陰干し」、オオバコや琵琶の葉っぱなど香りがないものは「天日干し」とアドバイスした。講演を聞いた参加者から「身近な薬草をたくさん知ることができ有意義だった」「薬草を知り、いざという時、利用の仕方も知り勉強になった」「三つ葉の種で薬膳カレーができるなんてびっくり」などの感想が聞こえた。なお山下さんがこの日語った内容は「野草がハーブやスパイスに変わるとき」（山と渓谷社２０２３年刊）に掲載されている。
記事：農事新聞 2024年5月8日号
写真提供：農事新聞
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