【加須】新壱万円札「渋沢栄一」が100年前に来訪

今年7月3日から1万円札、5千円札、1千円札のデザインが20年ぶりに一新される。そのうちの最高額紙幣1万円札の肖像として採用された「渋沢栄一」は何と加須市にもゆかりがあることが分かった。

新一万円札「渋沢栄一」100年前 加須に来訪
總願寺境内に直筆の石碑遺す

日本の資本主義の父と称される渋沢栄一氏(1840年~1931年)は明治時代に第一国立銀行(現みずほ銀行)や王子製紙、石川島播磨重工業など500社もの大企業設立に尽力を果たした明治の傑物。その渋沢栄一氏が大正7(1918)年11月2日に加須を訪問し、加須小学校と私立埼玉中学校(現在の埼玉県立不動岡高校)で青少年を相手に勉学の重要性等を講演したとの記録が残っている。その講演に感銘した当時の加須町民有志らが、このことを後世に残そうと渋沢翁の来訪から2年後の大正9年に市内不動岡の總願寺境内に記念碑を建立した。石碑除幕式が行われた大正11年4月23日には渋沢翁も駆け付けたことが、市が境内に設置した「案内板」の写真に残っている。石碑は高さ4m30㎝、幅1m86㎝、厚さ20㎝の堂々たるもので見上げるほどの大きさだ。

總願寺境内にある渋沢栄一が揮毫した石碑
加須市が設置した石碑横の「案内板」に写っていた
渋沢栄一(写真前列中央)

誠実真心あれば物事うまく進む

その石碑には渋沢が好んだ論語「言忠信行篤敬雖蠻貊之邦行矣言不忠信行不篤敬雖州里行乎哉」が刻まれている。その意味は「言葉が誠実で行いに真心があれば、世界中どこへ行っても物事はうまく進む。しかし言葉がいい加減で、行いに真心がなければ、生まれ故郷でさえ、思うようにはならない」。

ところで7月3日から発行される新紙幣だが、財務省によるとその特徴は

①偽造防止対策として渋沢栄一などの肖像が三次元にみえて回転するホログラムを世界で初めて銀行券に搭載したこと
②額面アラビア数字を大型化し券種を識別しやすくしたこと
③紙幣を指で触っただけでこれが1万円札か5千円札か1千円札かが分かるよう識別マークを各紙幣ごとに位置を変えて載せたこと。

7月3日以降も現行紙幣使用OK

7月3日以降も現行紙幣使用OKなお財務省では「現行紙幣は新しい紙幣が発行されたあとでも引き続き使用できます」と呼び掛けている。
20年ぶりに一新される新紙幣は1万円札の渋沢以外に5千円札は津田塾大学創始者・津田梅子が、1千円札は日本近代医学の父・北里柴三郎が肖像に採用されている。

記事:農事新聞 2024年5月8日号
写真提供:農事新聞

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